どもサピパパです。
今日、東京の私立女子校である普連土学園、田園調布学園、品川女子学院の3校の学校紹介が一度に聞ける説明会が、品川女子学園でありました。
120人(各校で40人ずつ募集)の抽選とのことで、サピママが申し込んでいたようです。
当選したので行ってきました。
毎年の好評イベントとのことで、昨年の7月に実施しようとしていたところ、コロナの影響もあって、3月開催となったようです。
場所は、品川女子学院の講堂、120人収容の会場でした。目視ですが、100人くらいの方が来ていましたでしょうか。
登壇された皆さん、とにかくお話が上手。聞き入ってしまいました。
10:00 品川女子学院理事長より講演
35年以上、教育に携わり、教育改革などで政府に提言もされている漆 紫穂子理事長より「学校選びのヒント」というお話がありました。お話からエッセンスを抽出して、たぶんこうだろう、おっしゃりたいことはこうだろうという解釈をサピパパ的にいれていますので、万が一、誤解していたらすいません。
なぜ今、女子教育なのか?
- 日本は少子高齢化による労働人口の減少⤵が社会問題化している
- 今後は労働人口の半分を占める女性の労働力が重要であり、労働人口の余地でもある
- 数十年前と比較し、女性の社会進出はかなり進んでいる
- しかしながら、中身をみると、正規雇用が2割程度で他は非正規雇用という実態
- 女性の正規雇用は理系人材や業務独占資格の保持者が圧倒的に多い
- 日本政府も女性の管理職を増やすなど後押しをしている
- しかし、ジェンダーギャップ2021で、日本は120位。アフリカなどの後進国やイスラムの国と並ぶような状況である。サピパパ注)低スコアの要因は教育ではなく経済と政治。女性の管理職が少ない、女性は非正規雇用が多い、そして、女性の政治家が少ないことが原因です。
- グローバルではノルウェーが先進しているが、日本にはそもそも活躍している女性の先輩(ロールモデル)が少なく、自分が先駆者、パイオニアになっていかなければならない
- そのために必要なのは、学歴、女子こそ学歴!
- その学歴だが、学校歴より学習歴と思っている。何を学んだのか!?ということ。
- 非認知能力という偏差値やIQテストに表れるようなものではない、人に信頼され、仕事を任されるといったところの能力を充実させていくことが重要
- そして女子は特に早めの人生設計が必要(出産なら28歳を意識するとか)
これらが、中高一貫校、特に女子が中学受験することの意味だと思います
※ちなみに親は、教育関連の世界の動き、日本の立ち位置、それらの情報をしっかり収集しよう。だそうです。
学校は、偏差値の良い、悪いではなく、子どもに合う合わないで選ぶ
目の前にある事柄を過大に評価してしまう「現在志向バイアス」というものがある。親も子も、受験期の持ち偏差値、子どものその時点での成績で学校を選びがちになる。
しかし、考えてみると入学後の6年間の方がはるかに長いし(学校選択では)重要となるはず。
学校の偏差値は常に変動するものである。それを学校選びの重点に置かないこと。
偏差値、大学合格実績は、他人の過去の実績でしかない!
自分の子どもに合うか合わないかで決める方が良い。学校選びポイント3点は後述。
第一志望校だけでなく併願校も徹底リサーチ
中学受験の確率でいうと、第一志望の学校に行くより、併願校に行く確率の方が高い。第一志望校は当然、じっくり丁寧に選ぶが、併願校も丁寧に選ぶべきであることを忘れがち。
親がリサーチ不足の例をいくつも見てきた。
他者がうらやむような高偏差値の学校にいても、肌に合わず転向したがる例もあり
そして、盲点になりがちな、学校の財務状況も注意して見ておく。途中で経営主体が変わると、全く別の学校になったりする。
学校選びのポイント3点
- 我が家の軸を決める。夫婦でよく話し合う
- 軸に照らしてまず、親が学校選び→10校程度に絞る
- その中から、最後は本人が決める
学校選びに成功している家庭に共通しているのは上記3点。
入学後、子どもが課題や問題に直面した時に、自分で選んだ学校だという自信と責任があれば乗り越えられる(ハズ)。
成長期の大切な時点(女子は11歳)で自分の価値観に基づき、選択させることが重要。
かといって、子どもにゼロから選ばせると、見学した学校の生徒が、そのときたまたま良い対応をしてくれたとか、場当たり的に選んでしまうこともあるため、まずは親が学校を絞り込む、リサーチすることが大切。
私学は通う本人だけでなく家族と学校の関わりも深いので、家族みんなで決めよう。
母校はもう一つの実家
私立中高一貫校は、実家のような温かみがある。品女の卒業生の7割が成人式後に学校に来る。大学卒業後の就職先も報告に来る。
↓理事長先生の著書も紹介されていました。
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ちなみに、なぜ3校で合同説明会を行うのかということは、「品女の先生の子が普連土に入学、卒業したり、理事長自身も田園調布で教員をやり、親類の子も田園調布にお世話になり、と、何かとつながりがあり、3校で合同説明会を行っている。そもそも私立校同士は、そういうつながりが結構ある。」とのことでした。
10:20 各校による学校紹介
普連土学園
校長先生がスキーでもらい事故をして、足を怪我した。不自由しているとき、生徒が荷物を持ってくれたり、ドアを開けてくれたりする優しい子たちがいる学校。
オンラインも実施して2年、半数は登校・対面授業をやめないで欲しいと要望している。
クラブ活動も緊急事態宣言下以外は制限はあるものの実施した。
目に見えない潜在的カリキュラムに力を入れる。
本物のコミュニケーションを学ぶ。意見→理解→歩み寄り
LET YOUR LIVES SPEAK(口先だけでなく、生き方で語れ)がフレンド派の標語。
ピューリタンの中のフレンド派。普連土の文字は津田梅子の父、津田仙が考案したあて字。普(あまね)く土地に連なるという意味。
ローマカトリック 聖公会 正教会 | 監 督 制 | 上智、栄光 香蘭、立教、ルーテル 青学、東洋英和 | 真面目 |
改革派教会 長老派教会 | 長 老 制 | 名古屋学院 フェリス、女子学院 明治学院 | |
バプテスト教会 | 会 衆 制 | 桜美林、同志社 普連土 | 自主性 |
言葉を発せず、15~20分耳をすます。中1のイベントでは、夜から朝方までずっと話さない。言葉のありがたさを知る。
田園調布学園
過去、田園調布にある調布学園では、分かりづらいので、田園調布学園に改名した経緯あり。
46%が共学という時代、世の中のトレンドは共学かもしれない。しかし、別学を見直すべきと考えている。
中高の6年間→自分と向き合う、自分は何者なのかを考える時間とする。
海外と日本の教育では、自分軸がしっかりしているか、これの違いがある。
男だから、女だからではなく、ジェンダーフリーで、あなたはどうなりたいかを考える。
文系50%、理系45%、芸術5%、これらの進路も自分を見つめ、自分で自由に選択していく。
Wikipediaに書かれていることが説明の中に出てきていた。
品川女子学院
プレゼンターの高等部部長の権藤先生は、名物先生の貫禄。
非認知能力を中1から鍛える。
iPadを個人所有させ、Slackで連絡を取る。
学習・行事・部活をバランスよく。部活は週4回まで。
授業は週6日、土曜日は4時間。
勉強は学校でするがモットー。塾や予備校は補助的に。高3のみ20時まで学校で勉強していって良い。
課題解決型学習として起業体験プログラムがある。お小遣い500円を出資?して起業をするプログラム。
3大行事(先生は静観、実行委が実施)→体育祭(学年対抗)、文化祭、合唱祭
英検のアウトプット(Speaking、Writing)に力。高3で英検準1が19%、2級が78%。
中3の全員参加の海外短期留学では、うまく話せない、うまく伝えられない自分に不満を持って帰ってきてもらいたい。その後の頑張りにつながる。
就職先:東京都教員、日通、清水建設、サントリー(子)、三井ホーム、JR情報システム、他
11:20 共通テーマで3校の比較
3校比較表が出まして、これがとても分かりやすい、いい資料でした。
項目 | 品川女子学院 | 田園調布学園 | 普連土学園 |
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最寄り駅 | (京急)北品川駅 (JR)品川駅 | (東急)田園調布駅 (池上)雪が谷大塚駅 | (JR)田町駅 (都営地下)三田駅 |
登校時刻 | 8:30 | 8:25 | 8:00 |
朝の過ごし方 | 7時から登校可 朝読書8:20~10分 | 自由時間 7時から登校可 | 部活の朝練(任意) 7時から登校可 |
授業時間 | 50分×6時間 | 50分×6 or 7時間 | 45分×7時間 |
特徴的な取組① | 起業体験プログラム | 土曜プログラム | キリスト教行事 |
特徴的な取組② | 3大行事 | 教科横断型授業 | 豊富な選択授業 |
特徴的な取組③ | デザイン思考 | 「探究」の時間 | 高2研究論文 |
部活動 | 週4日まで | 中:週3日まで 高:週4日まで | 週3日まで (土曜日含む) |
部活動の参加 | 自由・兼部可 | 自由・兼部可 | 自由・兼部可 |
最終下校 | 17:50 | 18:00 | 17:50 |
高等部への進級 | 試験なし | 試験なし | 試験なし |
大学受験サポ① | 高3 自由選択授業 | 放課後や長期休暇 の補修(高1~高3) | 高3選択授業 |
大学受験サポ② | 推薦<一般 | 推薦<一般 | 推薦<一般 |
校長の教科 | 中学・国語 高校・英語 | 英語 | 宗教・国語 |
ICT | iPad、個人所有 | 中:Chromebook 高:BYOD(自由) | iPad |
入試科目 | 4科・算数1科 表現力総合型 | 4科・算数1科 | 4科・2科 算数1科 |
算数1科の特徴 | 25問程度 答えのみ採点 | 計算問題(5題) 大問(4題) ほぼ答えのみ採点 | 小問50問 答えのみ採点 |
ちなみに、サピックス偏差値(80%合格)は以下の通りです。
学校名 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 算数1科 |
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品川女子学院 | 32 | 34 | 42 | 46 |
田園調布学園 | 32 | 32 | 38 | 36 |
普連土学園 | 40 | 34 | 38 | 36 |
まとめ
品川女子学院の理事長の話と、パネルディスカッションで示された3校比較表がとても有用でした。
今回の3校のお世話になるかは、まだ分かりませんが、学校選びでは、良くサピ長女と向き合って、彼女に合いそうな学校というのをまずは選んであげることが大切と思いました。
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